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幕末志士坂本さんがグッズを無料で配り、決して売らなかった天才的な理由(そして売り始めるときは天才的なシナリオとともに)

幕末志士の話

※この記事を書いていた当初は販売をしていなかったのですが、販売をしてしまいました。ただ、販売時にも鮮やかなストーリーをつくっていました。

幕末志士 | ドワンゴジェイピーストア

これを書いてしまうと裏読みというか、ファンっぽくない読みではあるのですが、「幕末志士の坂本さんがグッズ販売を求められるも、決して販売しない」ことにたびたび感心するので書かせてください。

幕末志士のグッズプレゼントを配る理由

番組内で坂本さんが話している理由は以下のような内容です。

・坂本さんはもともとナインティナインのラジオを聞いていたが、ラジオ中でもネタハガキが採用されるとプレゼントがもらえるので参考にした

・人にものをあげることで徳を積んでいる

など。ただ、これだけであんなに大量のグッズを配らないと思います。

グッズを決して売らないビジネス的な理由

そもそも、幕末志士という「会社」の収益構造を考えるとグッズを売るのではなく、グッズを配るメリットが見えてきます。

収益源は以下の要素で構成されます。(以下の数字は推定なので、もちろん上振れ・下振れします。完全な推定なので事実と大きく異なる可能性が高いと思いますので信じないでください)

売上

・売上合計:推定月1585万円(推定年1億9020万円)

・会員費:推定月1050万円(年間1億2600万円)

※会員30000人×350円(500円×30%*ドワンゴ手数料)

・YouTube会員費:推定月413万円(年間4956万円)

※詳細不明。会員10000人×413円(590円×30%*YouTube手数料)

※しかもプレゼントがないので経費はかからない

・YouTube広告収入:推定月122万円(年間1464万円)

※再生数2455680回×0.5円

・Twitch広告収入:不明

・ゲーム販売費:不明

支出

一方で、支出は以下のように構成されます。

・合計:年9540万円

・会員プレゼント費:推定月500万円(年間6000万円)

※例:1000個×3000円+経費200万円

・オフィス代:推定月20万円(年間240万円)

※適当です

・人件費:3300万円(年間)

※本人400万円+社員600万円×4人+外注500万円とする

・ドワンゴ手数料(上記に含む)

・YouTube手数料(上記に含む)

 

ということは収支は年間で1億円くらいの利益。もう少し会員が少なかったり、社員に払っていたり、会員プレゼントとして配っている可能性は高いと思います。

また、実質的な経費は「プレゼント」と「人件費」だけ。社長の役員報酬も発言ベースでは「400万円」とのことなので、かなり安定していると思われます。

※会社の株主は坂本さん一人だと思うので、残った利益は法人税を払ったうえで留保されているか、坂本さんに配当として高い税金をはらったうえで支払われているはずです。

※おそらく、坂本さんは経営上手なので内部留保金を残し、会社を清算する際にみなし配当として低い税率で報酬を受け取るものと思われます。

 

すこしそれましたが戻します。

つまり何が言いたいかというと「チャンネル登録数が最重要のビジネスである」ということ。そして「経費めっちゃ少ない」ということです。

チャンネル登録数を保つ・増やすために特典をつけるのは当然

チャンネル登録数を保つ・増やすためにはいくつかの方法があります。

・新しい人に登録してもらう

・既存の人に複数アカウントで登録してもらう

・解約率を下げる(チャーンレートといいます)

幕末志士の会員放送・顔出しなしという性質上、新しいファンが増えるというのは大変でした。(特にニコニコでは)

そこで、同じ人が複数アカウントを登録するメリットをつくるというのが重要なポイントでした。

グッズプレゼントを抽選で毎月するということで「会員に入り続けていたら当たる」「アカウントを増やせば当たるチャンスが増える」ということになります。

定期的に全プレをすることで「どうせなら」と複数アカウントでグッズを複数もらいます。そして解約を忘れると会員費は増えます。

※これは余談ですが、解約率を下げるために「コンテンツを面白く保つ」努力として「ゲーム開発チームの充実」「オリジナルコンテンツの充実」「ファンが嫌がることを察知しつつ、独自色を出した運営をする」などの施策がとても上手いです。また、新規を増やすためのコラボや切り抜きなどにも最近は力を入れています。

※これも余談ですが、グッズプレゼントは単発で企画し、一気に配送することで運営のコストを下げられるというメリットもあります。坂本さんはこのあたりが上手で「固定費を増やしすぎない」「手元は軽いがサービスは最大限する」というエンターテイナー精神と経営努力が天才的です。

グッズ販売はメリット以上にデメリットが大きい

グッズ販売はファンから常に求められており、しかも売上が上がるのになぜやらないの? と考えたファンは多いハズです。それはそのとおりである一方で、デメリットも多いのです。

理由はいくつかあります。

・グッズプレゼントに魅力を感じず、退会してしまう可能性がある

10000円分のグッズを買ってもらうのと、500円の会員登録をしてもらうのだと、後者のほうが価値があるケースがあります。

グッズの原価が30%、経費が20%、消費税10%だとすると利益は4000円になります。

500円の会員登録は333円の利益なので、333×12ヶ月で約4000円になります。グッズをたくさん買うよりも1年間会員でいてもらったほうが、中長期的に見るとありがたいわけです。

(もちろん、1年間会員でいてもらいつつ、グッズを沢山買ってもらえるとうれしいとは思いますが、グッズ販売の経費や体制維持には赤字のリスクもありますし、会員が減ってしまっては元も子もないので、会員登録×プレゼントのほうがリスクは少なく、安定した基盤を残すメリットが高いわけです)

・コストがすごいかかる(在庫管理、ストア維持、運営、都度配送)

前述の説明のとおり、グッズ販売には経費がかかります。商品開発、在庫管理、ストア維持、運営、都度配送など。人件費も増えますし、プレゼントは一斉に配送できたのにグッズは都度配送なので配送などの経費も余計にかかります。

ビジネスが終わるときというのは売上が減るか、売上以上に経費がかかるときです。固定でかかる経費が増えるというのはリスクが上がることになるのです。

 

グッズプレゼントで「返報性の法則」(坂本さんのバイブル「影響力の武器」より)で会員登録が持続し、ファンも参加してグッズをつくる。それに対しては誰も品質や値段のクレームを言わないという状態からグッズ販売でファン離れのリスクや、運営コストなどのリスクを取らないという選択肢を選んでいたのだと思います。

というわけで、ファンからは「売ってくれ」というコメントがあるがビジネス面で考えるとたぶん不安。

そんなメリットがないため、グッズ販売に後ろ向きだったのだと思います。

昔のネットは拝金主義を嫌っていた

また、幕末志士坂本さんがニコニコ動画で活動をし始めたころ。動画で金を稼ぐというのは「拝金主義」(ネットをお金儲けのために使うこと)はとても嫌われており、お金を稼ごうという趣旨が見える活動、グッズ販売、広告コンテンツ、収益化、有料会員、スパチャ(当時はないけど)などはちら見せするだけでも炎上するレベルでした。(今の人は信じられないですよね)

もう忘れてしまいましたが、幕末志士坂本さんもそういう系の炎上をしていた記憶があります。

その中でなんとか有料会員放送だけはなんとか実現して、今日に至るわけですが、そういう意味合いからも下手にリスクのあるグッズ販売は極力やらないことにしていたはずです。

追記:ただし坂本さんは「筋が通せる」ならやる漢であるということ。そして「ライブコマースの波」

ということを下書きにしていたらなんと坂本さんがぬいぐるみ・Tシャツを販売しようとしています。これはなんと…!

動画では「ぬいぐるみを発注しすぎたやばい」「YouTubeの金のきのこプランが廃止になったので売る方法を探して売るかも…」ということです。

これを見ていて僕は「大変だね」という感想とともに「ワザワザ」か? という思いも芽生えます。(これは批判ではありません。坂本さんのこういうシナリオづくりのうまさが好きでファンをやっています。ニコニコもYouTubeも課金しています)

そもそも危険な金額のぬいぐるみを発注して「金のきのこ」の会員費が振り込まれるまでの間にぬいぐるみの請求が来たら倒産しますよね。金のきのこが廃止にならなくても倒産リスクはあったはずですが、今回こういう話になったのは「請求がきても払える体力があったから」と考えるのが自然です。(破滅願望はありそうなので、瀕死になっている可能性はあります)

そのうえで「金のきのこがなくなった」という報告をすれば、ファンからしても「たしかにあそこまで敬遠していたグッズ販売もはじめるよね」という納得感が強いうえに「大量に在庫が生まれたぬいぐるみを買ってあげよう」という心理もはたらきやすく、幕末志士としてネットショップをはじめるのは自然に、かつ在庫もスムーズにさばくことができると思います。

気になるのは売上・利益です。

「利益が100円しか出ない」というのは真実かはわかりませんが、これからネットショップを構築する中で「システム構築」「ネットショップ運営」「配送方法の構築」などをしていくとたしかにコストはかかりますし、放送でも話していた在庫管理費なども必要です。

実際にこれらのコストはかかると思いますが「大量発注」「大量販売」「短期で終了」というのが成功すれば、幕末志士のグッズ販売のリスクはかなり抑えられます。

例えば「ネットショップでいつでも買って、いつでも届く」という形態であれば、かなりのコストがかかると思いますが「幕末志士チャンネルで告知してから一定の期間のみ販売。その後順次に配送」など、昨今流行しているライブコマースやテレビショッピングなどのような体制をとれれば在庫を抱えるリスクも減り、大量発注でコストも抑えられるので良い感じに利益が残りそうです。

※とはいえ、これはかなりのリスクがあると思います。常人がやったらたしかに大赤字で終わっていそう。グッズプレゼントを大量にして金のきのこでボロ儲けというシナリオが失敗した坂本さんの天才的な「ピンチはチャンス」的乗り越え方だと思います。実際にこれで売れなかったら超赤字で終わるのは間違いなさそうです。

※ちなみにこのような「鮮やかなストーリーづくり」はYouTubeにアーカイブを始める際にも感じました。

「ニコニコ動画がハッキングされた。このままだとアーカイブがなくなるかもしれない。保管場所としてYouTubeに動画をあげさせてくれ」と言ってYouTubeにもサブスクを用意したときです。

これもなかなかすごくて、過去の西郷さんが出演している動画をYouTubeにアップするというのは古参からは抵抗感が強い行為です。

ただ視聴者はYouTubeにかなり流れており、収益的にもニコニコ依存は怖い。そこでビジネス的に考えるとYouTubeにもアップしたいところを、シナリオなしでやってしまうと猛批判を食らうわけです。

それを「ほら、ニコニコ動画やばいでしょ? YouTubeにも拠点作るのは当然だよね?」とファンに呼びかけて、ファンも「そうだね。YouTube始めるしかないね」とシビアなファンでも納得できるシナリオができたときに初めて展開する。これはなかなかできることではありません。相当な手練れです。

私が思っているのは、坂本さんがファンを騙しているという話では決してなく、自分たちのやりたいこと、挑戦したいことをやるときにはファンが納得するストーリーを携える = 筋をとおすことを即座に判断して実行する坂本さんの天才的な瞬発力(馬鹿なふりをして狡猾に笑われて、その実自分が運営しているサーカスの収益を最大化するピエロ力とも言える)、そしてエンターテイナーとしての才能がきらりと光っていて、いつも見ていて楽しいですということ。

ファンが見たら(坂本さんが見たら?)ブチギレる文章になってしまったかもしれませんが、どうしても書きたかったので書かせてもらいました。

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